ライフスタイルの変化により和室をフローリングにする人が増えています。畳をフローリングにリフォームすること自体は難しいものではありませんが、施工方法の違いや床材の種類などを把握しておかないと、満足いく仕上がりにならないかもしれません。この記事では、和室をフローリングにする方法や、リフォームの注意点などを解説しています。費用相場や床材の種類なども紹介しているので、和室をフローリングにしたいと考えている人は、参考にしてみてください。
和室をフローリングにする方法
和室をフローリングにリフォームする方法は、大きく分けて2つあります。2つの方法のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
畳をはがしてフローリングを張る(張り替え)
和室からフローリングにする方法のひとつに、畳をはがしてからフローリングを張るというものがあります。メリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
・下地の確認や補修ができる
・部屋の境界に段差ができない
・湿気対策が必要ない
【デメリット】
・リフォーム費用が高額
・足元が冷えやすくなる
・防音性が低下する
畳をはがしてフローリングに張り替える方法では、畳の撤去後に下地の状態が確認できます。仮に腐食など異常が見られたときは補修工事がおこなえるので、家の長寿命化につながるでしょう。また、下地の高さが調整できるため、部屋の境界に段差が生じません。バリアフリーに対応できるので、高齢の家族がいる方も安心です。
しかし、張り替える場合は畳を廃棄したり、高さ調整のために下地を作り直したりしなくてはいけないため、上張りに比べるとリフォーム費用が高額になります。また、畳はフローリングより厚みがあり底冷えを防ぐ効果がありますが、撤去することで足元が冷えやすくなります。畳がなくなると防音性も低下するので、マンションでは防音対策をとらなくてはいけません。
畳の上にフローリングなどを敷く(上張り)
張り替えより手軽におこなえるのが、畳の上にフローリングなどの床材を敷く方法です。メリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
・費用が抑えられる
・原状回復が可能
【デメリット】
・部屋の境界に段差ができる
・畳にカビが生えることがある
上張りは、畳をはがしたり処分したりする手間がないので費用が抑えやすいです。原状回復もできるので、賃貸住宅でよく選択されています。
ただ、上張りすると床の厚みが増してしまうので、部屋の境界に段差ができてしまいます。小さいお子さんや高齢の方はつまずきやすくなるため、気をつけなくてはいけません。また、畳の上に床材を置くことで通気性が悪くなるので、長時間床材を置いたままにしていると畳にカビが発生することがあります。
和室をフローリングにするときの費用相場
和室をフローリングにするときの費用相場を、施工方法別に紹介します。
畳をはがして張り替える場合
畳をはがしてフローリングに張り替えるときの費用相場は、以下の通りです。
床材の種類 | 費用相場(6畳の和室の場合) |
無垢フローリング | 約15万円~約22万円 |
合板フローリング | 約13万円~約18万円 |
無垢フローリングの場合は、樹種によって費用が大きく変動します。合板フローリングも、表面が化粧シートか天然木かで費用が異なります。また、下地の補修の有無などによっても、費用は異なるので、一般的な相場として参考にしてください。
畳を残したまま上張りする場合
畳を残したままフローリングなどの床材を上張りするときの費用相場は、以下の通りです。
床材の種類 | 費用相場(6畳の和室の場合) |
無垢フローリング | 約11万円~約18万円 |
合板フローリング | 約10万円~約14万円 |
ウッドカーペット | 約2万円~約5万円 ※DIYの場合 |
クッションフロア | 約5千円~約7千円 ※DIYの場合 |
床材を上張りするときも、無垢フローリングの樹種や合板フローリングの表面の素材などにより費用は大きく変動します。
和室をフローリングにリフォームするときの注意点
和室をフローリングにリフォームするときに注意したいポイントを3つ紹介します。
上張りすると畳にカビが生えやすくなる
上張りは原状回復が可能でDIYでも手軽におこなえるので、マンションなどの賃貸住宅でもよく選択されています。しかし、畳の上に直接床材を敷くことで畳に含まれる水分の逃げ場がなくなってしまい、カビが発生しやすい状態となってしまいます。こまめに換気をしたり、定期的に床材をめくったりして湿気がこもった状態が続かないように対策をとりましょう。
マンションでは管理規約を確認する
フローリングは畳に比べて防音性が劣ります。そのため、畳をはがしてフローリングにリフォームする際には、適切な防音対策をとらなくてはいけません。とくにマンションの場合は、管理規約により防音基準や床の遮音等級などが定められています。騒音はトラブルの原因にもなりやすいので、リフォーム前に管理規約を確認し、防音性を確保できるようにしておきましょう。
足元の冷え対策が必要になる
フローリングは畳より薄く底冷えしやすいため、足元の冷え対策が欠かせません。床下に断熱材を入れたり、床暖房を設置したりすることで足元の冷えが緩和されます。費用を抑えたいときは、ラグやジョイントマットなどを敷くだけでも底冷え対策が可能です。寒い時期になってから困ることがないように、あらかじめ対策を練っておきましょう。
和室のフローリングリフォームはDIYできる?
クッションフロアやウッドカーペットの上張りであれば、DIYでも施工可能です。ただ、作業工程はシンプルですが、DIY未経験の人には慣れない作業が多いため、きれいに仕上げられるとは限りません。また、畳の張り替えリフォームをする場合は、下地材をつくり直さなければならず作業の難易度が高まります。仕上がりのクオリティがプロに及ばないのはもちろんですが、工具をそろえる手間などもあるので、業者に依頼したほうが満足のいくリフォームがおこなえるでしょう。
和室のリフォームに使われる床材と選び方
和室のリフォームでは、フローリング以外にも木目調のクッションフロアなどいろいろな床材が使われています。フローリングとその他の床材の特徴について解説していきます。
無垢フローリング
無垢フローリングは、天然木から切り出した床材で、木の風合いが楽しめるのが大きな魅力です。一方で、耐水性が低いため手入れが大変だったり、定期的にオイルを塗ってメンテナンスをしなくてはいけなかったりするデメリットもあります。また、合板フローリングに比べると高価なものが多いので、予算によっては選択しにくいかもしれません。
合板フローリング
合板フローリングは、集成材のうえに化粧シートや天然木を張って作られた床材です。無垢フローリングのようなメンテナンスの手間がなく、施工費用も安い傾向があります。ただ、木の風合いは無垢フローリングに劣るので、木の素材感を楽しみたい人にはもの足りないでしょう。
クッションフロア
クッションシートは、塩化ビニル製の床材で、コストを抑えたい人におすすめです。耐水性に優れているため、水回りで使われることが多いですが、和室でも問題なく使えます。木目調でフローリングに似せたデザインのものもありますが、本物のフローリングと比べるとやや安っぽさが感じられるかもしれません。また、クッションフロアは通気性が低いので、畳に上張りすると水気が床下にこもってしまい、カビが発生しやすくなります。
ウッドカーペット
ウッドカーペットは、木製のカーペットです。木製というものの、なかには合板フローリングのように表面に木目柄を印刷した化粧シートを貼り付けているだけのものもあります。カーペット状になっていて広げるだけでリフォームできるので、フローリングのような施工の手間がありません。原状回復も簡単なので、マンションなど賃貸でのリフォームにおすすめです。
まとめ
この記事では、和室のフローリングリフォームについて解説しました。施工方法の違いや和室をフローリングする際の注意点を知っておくと、リフォームで失敗するリスクを下げられます。弊社では和室のフローリングリフォームのほか、水回りや外装のリフォームもおこなっております。リフォームでお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。