生活習慣の変化により、押し入れの使いにくさを覚えて、クローゼットにリフォームしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。押し入れからクローゼットへのリフォームはよくあるリフォームの一つですが、予算や希望に合わせて複数の方法を選べます。本記事では、押し入れをクローゼットにリフォームする方法や種類、費用相場などを解説するので、参考にしてください。
押し入れをクローゼットにリフォームする方法と事例
はじめに、押し入れをクローゼットにリフォームする方法を事例を交えて紹介します。
押し入れをクローゼットにリフォームする方法は複数のやり方があるので、クローゼットとして活用したい目的によって選びましょう。
押し入れを一般的なクローゼットにリフォームする
押し入れのふすまや中央の仕切りを撤去して、洋服をかけるパイプハンガーを設置し、引き戸や折り戸を取りつければ、押し入れは一般的なクローゼットにリフォームできます。このリフォーム方法では、クローゼットのサイズは押し入れのサイズと同じです。
また、押し入れの形をできるだけ活かしてクローゼットにリフォームしたい場合は、中央の仕切りを撤去せず、下の段にタンスのような引き出しを設置しても良いでしょう。
押し入れの一般的なサイズは間口が165~180cm、奥行きは通常80~90cmです。
一方、標準的なクローゼットの奥行きは、45cm~60cmとなっています。サイズを変えないとやや奥行きが深いクローゼットとなるので、収納方法に工夫が必要です。押し入れのサイズを変えずに一般的なクローゼットにリフォームする方法は、工期も1日程度と短くて済み、リフォームの中ではお手軽です。
押し入れの形を大きく変えるリフォーム
押し入れの形を大きく変えるリフォームとは、押し入れのサイズを変えてより使いやすくするリフォーム方法です。
押し入れは、クローゼットに比べると奥行きが20~40cmほど深いため、そのままだと使いにくい場合もあるでしょう。この深さを活かし、押し入れの中央に壁を作り、押し入れの裏側に新しい扉を設置し、2つのクローゼットにするなどのリフォーム方法もあります
押し入れの形を大きく変えるリフォーム方法だと、収納場所が増えるだけでなく「奥行きが深すぎて使いにくい」といった問題も解消できます。押し入れの後ろに部屋や廊下がある場合は検討してみてもいいでしょう。
工期は、サイズを変えずにリフォームするより時間がかかり、2~3日が平均です。
押し入れを拡張してより収納力を上げる
家族が増えたり持ち物が多くなったりして家に収納場所が足りなくなった場合、押し入れを拡張してウォークインクローゼットにするリフォームも可能です。
例えば、押し入れの裏に使わない部屋がある場合や、納戸があるが使い勝手が悪いといったケースもあるでしょう。そのような場合、押し入れと一体化してウォークインクローゼットにすると、広々として収納もしやすくなるでしょう。
押し入れを拡張する工事は工期が1週間以上かかる場合もあります。しかし、工期をかけた分、収納場所が増えれば家の中もすっきり片付きやすくなるといったメリットも大きいでしょう。収納スペースは多いけれど、どれも使い勝手が悪い場合に検討してみたい方法です。
押し入れをクローゼットにリフォームする費用相場
押し入れをクローゼットにリフォームする費用相場は、工事の内容や工期によって以下のように変わります。
リフォーム例 | 費用相場 |
サイズを変えず押し入れをクローゼットにする | 10万円~ |
押し入れのサイズを変えて使いやすいクローゼットにする | 20万円~ |
押し入れを拡張してウォークインクローゼットなどにする | 50万円~ |
なお、この費用相場はあくまでも目安です。家の間取りや押し入れの状態、使いたい建材によっても変わってくるでしょう。中でも、クローゼットの扉は種類によって値段に幅があるため、少しでも費用を抑えたい場合は、シンプルでお手頃価格の扉を選ぶといいでしょう。
また、リフォーム工事には廃材撤去の費用も含まれます。廃材撤去の費用は自治体によっては異なるため、ほぼ同じ工事でも工事行う自治体によって値段が変わる場合もあります。
押し入れをクローゼットのするメリット・デメリット
ここでは、押し入れをクローゼットにするメリット・デメリットを紹介します。
メリット・デメリットのどちらも把握したうえで、リフォームを行うかどうか判断しましょう。
メリット|使い勝手か格段に良くなる
押し入れをクローゼットにリフォームする最大のメリットは、収納スペースとしての使い勝手がよくなることです。押し入れは布団を収納を目的とした収納スペースなので奥行きがあり、奥に入れたものが取り出しにくいデメリットがあります。
ベッドを使用していて押し入れに布団を仕舞わない場合は、布団を入れる上段にパイプハンガーを渡すだけでも、収納できるものが格段に増えます。さらに、リフォーム工事で奥行きを調節すれば収納したものを取り出しやすくなるでしょう。
デメリット|結局使いにくいままのケースもある
押し入れはクローゼットに比べて、30cmほど奥行きが深くなっています。単に扉を付け替えてパイプハンガーを設置しただけの簡易的なリフォームだと、使い勝手が悪いままなこともあるでしょう。使い勝手を良くするためにサイズを変えると、費用がかかります。家の構造や間取りによっては、間取りの変更が難しいケースもあるでしょう。
また、押し入れは和室に設置されるのが一般的であり、和室にクローゼットを設置すると、コンセプトがちぐはぐになってしまいます。
押し入れのクローゼットへのリフォームはDIYできる?
押し入れのリフォームは、パイプハンガーを設置するなど簡易的なものならDIYで可能です。
近年はDIYを楽しむ方が増えてきて、ホームセンターにはさまざまなDIY向けの建材も販売されています。押し入れをDIYでクローゼットにリフォームした経験者のブログや動画もたくさんアップされています。突っ張り棒と紐、100円ショップで購入できるワイヤーネットを利用すれば簡易的な棚も設置できます。
しかし、押し入れの仕切りを撤去したりふすまを扉に付け替えたりする本格的なリフォームは、専門的な技術が必要です。動画やブログを見て「自分もできそうだ」と思っても安易に挑戦するのはおすすめできません。途中でリフォームに挫折し、中途半端な状態でリフォーム会社に再工事を依頼すると、かえって高くつく場合もあります。
押し入れを使いやするクローゼットへリフォームするポイント
最後に、押し入れをクローゼットにリフォームする際に、注意するポイントを紹介します。ポイントを抑えておけば、満足するリフォームができるでしょう。
収納したいものをまず決めておく
まずは、押し入れに収納したいものを、リフォームする前に決めておきましょう。
押し入れは広さがあるので、収納グッズを設置すれば使い勝手がよくなります。
押し入れに設置する収納グッズは、パイプハンガーの他に棚や引き出し式収納などもあります。収納したいものは、ライフスタイルの変化に応じて変わるかもしれません。「服を収納したい」「季節ものを収納したい」とざっくりとしたイメージで良いので、設定しておくといいでしょう。
湿気対策など必要な追加工事を行なう
押し入れとクローゼットは、湿気が籠りやすい場所です。湿気が気になる場合は、クローゼットにリフォームすると同時に湿気対策工事も行いましょう。除湿器や除湿剤を使ってもある程度除湿できますが、湿気対策工事を行ったほうが効果があります。
もし押し入れの荷物を出した際に、カビが生えていたり布団が湿っていたりした場合は湿気対策が必要です。リフォーム会社にも相談してみましょう。
目的に合せてリフォーム方法を選ぼう
押し入れをクローゼットにリフォームする工事は、住宅設備リフォームの中では工期も短くしやすい工事です。使い勝手が悪いと悩んでいる方は、クローゼットへのリフォームを検討してみましょう。リフォーム工事の中では、費用も安価な部類です。間取りを大きく変えたい場合は、ウォークインクローゼットにしてもいいでしょう。押し入れのリフォーム工事でお悩みの際は、ぜひ弊社にご相談ください。
Q 押し入れをクローゼット以外にリフォームはできますか?
A簡易的な書斎などにリフォームした例はありますが、間口を広げるなど大掛かりな工事が必要です。
Q扉を付け替えずふすまのままにして内部をクローゼットにできますか?
Aはい。それは可能です。引き戸のようになりますので使い勝手を考えて決めましょう。