間仕切り壁を後付けする工事とは? 設置できる壁の種類も解説

新生活が始まると、ライフスタイルを一新する方も多いでしょう。ライフスタイルが変わると、部屋の数を増やしたくなることもあると思います。部屋を増やすのは大変ですが、間仕切りを後付けして1つの部屋を2つにわけることは比較的簡単にできます。

本記事では、間仕切りを後付けする工事の方法や後付けできる間仕切りの種類を解説します。間仕切り壁で部屋を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。

間仕切り壁工事の費用相場と内訳

マンションや賃貸住宅において、間仕切り壁を設置する工事は、生活空間を快適にカスタマイズするための有効な手段です。しかし、工事費用はどのくらいかかるのか、事前に把握しておきたいですよね。ここでは、間仕切り壁工事にかかる費用相場と、その内訳について詳しく解説します。

材料費:壁の種類による違い

間仕切り壁の材料費は、使用する素材によって大きく異なります。軽量な石膏ボードは比較的安価ですが、遮音性や耐久性に優れたレンガやコンクリートブロックは高価になります。また、デザイン性や機能性を重視した特殊な素材も存在し、価格も多様性に富んでいます。例えば、DIY向けの簡易的な間仕切りであれば、数千円から抑えることも可能です。一方、本格的な工事で遮音性や耐火性を求める場合は、数十万円規模になるケースもあります。

施工費:業者や工事内容による違い

施工費は、業者の規模や経験、工事の内容によって変動します。単純な間仕切りであれば数万円で済むこともありますが、複雑な構造や特殊な技術を要する工事の場合は、数十万円から数百万円規模になる可能性もあります。また、解体工事が必要な場合や、電気・水道工事などの併設工事が必要な場合は、さらに費用が加算されます。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

その他費用:解体費、廃棄物処理費など

間仕切り壁工事では、材料費と施工費以外にも、様々な費用が発生することがあります。既存の壁を解体する必要がある場合は、解体費が発生します。また、工事で発生する廃棄物の処理費用も必要です。その他、工事期間中の養生費用や、設計費用なども考慮に入れましょう。これらの費用を事前に把握することで、予算計画を正確に立てることができます。

費用を抑えるためのポイント

間仕切り壁工事の費用を抑えるためには、いくつかのポイントがあります。まず、使用する材料を吟味し、コストパフォーマンスに優れた素材を選択することが重要です。次に、工事内容をシンプルにすることで、施工費を削減できます。また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで、最適な価格で工事を発注できます。さらに、DIYに挑戦することで、人件費を削減することも可能です。ただし、DIYは専門知識や技術が必要となるため、十分な準備と安全対策が必要です。計画段階で費用を綿密に検討し、予算内で理想の間仕切りを実現しましょう。

間仕切り壁を設置する工事を行なうメリット

間仕切り壁を設置するリフォームを行うと、限られた空間がより使いやすくなります。例えば、今まで10畳の部屋を子ども2人で使っていた場合、ある程度大きくなったら5畳の部屋を2つにしたほうがお互いのプライベートを尊重できます。

また、広すぎる部屋は案外使いにくく光熱費も高めです。例えば、家族4人の頃は20畳のリビングでちょうど良かったが、子どもが巣立ったあとは広すぎる場合もあります。間仕切り壁をつけて10畳のリビングと、5畳の夫婦それぞれのプライベート空間にしたら使い勝手が良くなるかもしれません。 なお、間仕切り壁は必要に応じて開閉が可能な種類もあるので、来客があったときは部屋を広くして、1人で使うときは部屋を区切る使い方も可能です。

間仕切り壁を設置する工事を行うデメリット

間仕切り壁は、完全に2つに分かれた部屋よりも防音効果などが劣るのがデメリットです。。例えば、片方の部屋で大きな音を立てて音楽の練習をしたい場合は、もう片方の部屋では音が気になって仕方なく、結局デッドスペースになるケースもあります。 また、設置した間仕切り壁が必要なくなった場合、撤去費用がかかります。間仕切り壁の種類によっては完全に元に戻せない場合があるのもデメリットです。 このようなデメリットを防ぐためには、仕切った部屋の使い道や間仕切りが必要な期間を明確にしたうえで、間仕切り壁を設置するか部屋を増設するか検討してみるといいでしょう。

間仕切り壁の種類と特徴

間仕切り壁を作るリフォーム工事を行うなら、間仕切り壁の種類を知っておく必要があります。そうすれば、目的に応じて適した製品を選べます。本記事では、間仕切り壁の種類と特徴、それぞれのメリット・デメリットを紹介するので、参考にしてください。

軽量間仕切り壁

軽量間仕切り壁は、石膏ボードやプラスチックパネルなどを用いた、比較的軽量な間仕切り壁です。DIYでも施工が容易なため、手軽に設置したい方におすすめです。ただし、遮音性や耐久性にはやや劣るため、防音性を重視する場合は、他の種類を検討する必要があります。

  • 石膏ボード: 費用を抑えられ、施工が容易。ただし、衝撃に弱い。
  • プラスチックパネル: 軽量でデザイン性が高い。ただし、耐久性に欠ける場合もある。

重量間仕切り壁

重量間仕切り壁は、コンクリートブロックやレンガなど、重量のある素材を用いた間仕切り壁です。遮音性や耐久性に優れ、地震などにも強いというメリットがあります。一方で、DIYでの施工は難しく、専門業者への依頼が必要となる場合が多いです。費用も高くなる傾向にあります。

  • コンクリートブロック: 遮音性、耐久性に優れる。DIYは難しい。
  • レンガ: デザイン性が高く、高級感がある。費用と施工期間がかかる。

引き戸・折り戸

引き戸や折り戸は、ガラスや木材でできた扉です。

●引き戸:水平に開け閉めできる扉 ●折り戸:ちょうつがいで連結されており、畳んであけるタイプの扉

引き戸はふすま、折り戸はクローゼットに使われることが多い扉、といえばイメージしやすいでしょう。

引き戸や折り戸は、間仕切り壁としても活用できます。開閉ができるので、必要に応じて部屋を区切ったり、一部屋にできたりします。

また、引き戸を透明のガラス戸にすれば、窓が区切った部屋のどちらかにしかない場合でも、採光を保てます。その一方で、引き戸や折り戸の前には荷物や家具を置くと採光が確保しづらく、区切った部屋の使い方に制限がでるのがデメリットです。

格子戸や障子

格子戸や障子は、主に和室を区切る際に使われる扉です。

●格子戸:木材を縦と横に組んだ扉や引き戸 ●障子:木枠に和紙を貼った引き戸

格子戸はプライバシーを保つのには適していませんが、採光を遮らないので部屋が暗くなりません。障子は格子戸よりプライバシー性が高いうえに、開閉だけでなく取り外しも可能です。障子で部屋を区切れば部屋の使い方の幅が広がります。

ただし、格子戸も障子も気密性が低いので暖房効率はよくありません。防音効果も低く、区切られた部屋で大きな音を出す活動は難しいでしょう。

アコーディオンカーテン

アコーディオンカーテンは、蛇腹状に折りたためるカーテンの総称です。取り付けが簡単で、簡易的な設置で良ければDIYでも取り付けられます。急いで部屋を区切りたい場合に最適です。素材を選べば、障子や格子戸よりもプライバシーを保てます。

撤去も簡単なので、部屋をしっかりと区切る工事が始まるまでのつなぎとしても有効です。その一方で、気密性や防音性は低く、会話の内容やテレビ、ラジオの音は部屋の外に漏れてしまいます。冷暖房の効率も悪いのもデメリットです。

壁を作る

壁を後付けで設置した場合、気密性が高くなりプライバシーも保てる部屋ができます。また、壁を作ればその面に家具もおけるので、引き戸などで部屋を区切るより個室としての使い勝手も良くなるでしょう。コンセントなども設置できます。

その一方で、新しくドアや窓を作る必要が出てくるなど、工事が大がかりになりがちです。 できるだけ早く壁を分ける工事をしたい場合は、家を建てるときに部屋を分ける前提で大部屋を作るなど工夫が必要です。

家具で部屋を分ける方法もある

タンスや本棚、収納棚などの大型の移動できる家具で、部屋を区切る方法もあります。部屋で家具を区切れば、特別な工事などは必要ありません。また、必要に応じて区切る位置を変えられるので、自由度の高い部屋造りが可能です。

近年はオーダーで家具も作ってもらえるので、部屋の寸法に合わせた家具を作ってもらえばプライバシーも保てます。その一方で、家具で部屋をしっかり区切ると採光が悪くなるデメリットもあります。暖房効率も悪く、光熱費節約のために部屋を区切る方法としては向いていません。

間仕切り壁の選び方のポイント

間仕切り壁を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

  • 部屋の用途: 寝室などプライバシーを重視する場合は遮音性の高い素材を選び、リビングなど開放感を重視する場合は軽量でデザイン性の高い素材を選ぶなど、部屋の用途に合わせた素材選びが重要です。
  • 予算: 軽量間仕切り壁は比較的安価ですが、重量間仕切り壁は高価になります。予算に合わせて素材を選択しましょう。
  • DIY or 業者: DIY可能な素材と、専門業者に依頼が必要な素材があります。自分のスキルや時間、予算を考慮して選びましょう。
  • デザイン: 部屋全体のデザインと調和する素材を選びましょう。様々な素材、色、柄があるので、インテリアに合わせた選択が可能です。
  • メンテナンス性: 長期的に使用することを考えると、メンテナンスの容易さも重要なポイントです。掃除のしやすさなども考慮しましょう。

それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、ご自身のライフスタイルやニーズに最適な間仕切り壁を選び、快適な住空間を実現しましょう。専門業者に相談することで、より適切なアドバイスを得られるでしょう。

DIYで間仕切り壁を作る方法

賃貸住宅でもマンションでも、DIYで間仕切り壁を作ることで、空間を有効活用し、快適な生活空間を実現できます。ただし、DIYは専門知識と技術が必要となるため、安全に作業を進めるための準備と計画が重要です。この記事では、DIYで間仕切り壁を作る手順を分かりやすく解説します。

必要な材料と工具

間仕切り壁を作るには、使用する素材によって必要な材料と工具が異なります。ここでは、比較的簡単に施工できる軽量間仕切り壁(石膏ボードなど)を例に、必要な材料と工具をリストアップします。

  • 石膏ボード
  • 木材(下地材)
  • ネジ
  • プラスドライバー
  • 金槌
  • メジャー
  • のこぎり
  • 鉛筆
  • 水平器
  • 安全メガネ
  • 作業用手袋

その他、使用する素材やデザインに合わせて、追加で材料や工具が必要になる場合があります。事前に必要なものをリストアップし、ホームセンターなどで購入しておきましょう。

手順:下地処理、壁の組み立て、仕上げ

  1. 下地処理まずは、間仕切り壁を設置する場所に下地処理を行います。既存の壁や床に、木材などを用いてしっかりとした下地を作ることが、壁の強度と安定性を確保する上で重要です。下地がしっかりしていないと、壁が歪んだり、倒壊したりする危険性があります。正確な寸法を測り、水平器を使って水平に木材を取り付けましょう。
  2. 壁の組み立て下地処理が完了したら、石膏ボードを木材にネジで固定していきます。この際、ネジを均等に打ち込むことで、壁の強度を高めることができます。石膏ボードをカットする際は、のこぎりを使って丁寧に作業を行いましょう。複数枚の石膏ボードを繋げる場合は、継ぎ目に隙間がないように注意が必要です。
  3. 仕上げ壁が完成したら、仕上げとしてパテ処理や塗装を行います。パテは、ネジ穴やボードの継ぎ目を埋めるために使用し、滑らかな表面を作ります。塗装は、壁の色やデザインに合わせて選びます。仕上げの作業によって、間仕切り壁の見た目が大きく変わるため、丁寧に作業を行いましょう。仕上げ材には、壁紙や塗装など様々な選択肢がありますので、お部屋のインテリアに合わせて最適なものを選びましょう。

DIYの注意点とリスク管理

DIYで間仕切り壁を作る際には、安全に作業を進めるためにいくつかの注意点があります。まず、作業前に必ず周囲の状況を確認し、安全な作業スペースを確保しましょう。また、工具を使用する際は、安全メガネや作業用手袋を着用するなど、安全対策を徹底しましょう。万が一、事故が発生した場合でも、適切な対応が取れるように、事前にリスク管理についても検討しておきましょう。作業に不安がある場合は、専門業者に依頼することを検討してください。

DIYは、費用を抑えつつ、自分好みの間仕切り壁を作ることができる魅力的な方法です。しかし、安全面や仕上がりのクオリティを考慮すると、専門業者に依頼するのも一つの選択肢です。それぞれのメリット・デメリットをよく比較検討し、最適な方法を選びましょう。この記事が、皆さんのDIYチャレンジの助けになれば幸いです。

間仕切り壁を設置したら再撤去は可能?

間仕切り壁を設置したものの、将来的に家族構成や家の使い方が変わって再撤去したいケースもあるかもしれません。ここでは、一度間仕切り壁を設置したら撤去が可能かどうか、工事内容とともに解説します。

折り戸や引き戸などの撤去工事は比較的簡単

折り戸や引き戸、アコーディオンカーテンなどで部屋を間仕切りした場合は、撤去が比較的簡単です。引き戸やアコーディオンカーテンは、レールが気にならなければ業者に依頼しなくても自分で扉やカーテンを外せます。

業者に頼んでも数時間〜半日で撤去ができるでしょう。ただし、レールなども全部撤去してもらいたい場合は、1日がかりの工事になります。急いで部屋を元に戻したいときは、まずは扉だけ撤去した後で日を置いてレールを撤去してもいいでしょう。

壁を撤去する工事は大掛かりになりがち

壁を撤去する工事は、大掛かりになりがちです。また、部屋ごとにつけたドアや窓が不要になったので一緒に取り外して潰して欲しい場合は、数日間にわたる工事になる場合もあるでしょう。

工事費用もかかるので、基本的に後日撤去する予定で間仕切り壁を設置する場合は、壁以外の方法が適しています。また、壁を壊す以外にもドアをつけて行き来しやすくする方法もあるので、検討してみましょう。

大型家具は移動する際に人手が必要

大型家具は移動すれば部屋を元に戻せます。しかし、無理に戻そうとすると床や壁に傷がつきます。大型家具を撤去する場合は、人手を集めましょう。組立て式で大型家具の場合、別所で再度使わないならば、少しずつ解体しながら撤去していく方法もあります。

また、大型家具は処分するのも大変なので、人手が集められなければ不用品回収業者に依頼して家から持ち出してもらうのも1つの方法です。費用はかかりますが、即日撤去してもらうので急いでいるときにもおすすめです。

間仕切り壁の工事には複数の方法がある

間仕切り壁にはいろいろな種類があります。分けた部屋の使い道や再撤去が必要になるかどうかなどをまずははっきりさせると、間仕切り壁の種類が決まりやすいでしょう。

当社でも、間仕切り壁を設置・撤去する工事のご相談をうけたまわっています。どの間仕切り壁がおすすめなのか、部屋に間仕切り壁を設置できるかなど、小さな疑問から見積もりの依頼までお気軽にお問い合わせください。

間仕切り壁工事に関するQ&A

間仕切り壁の撤去について

間仕切り壁の撤去は、設置時と同様に専門業者に依頼するのがおすすめです。DIYで撤去しようとすると、壁の構造によっては下地を傷つけてしまったり、予期せぬ事故につながる可能性があります。撤去費用は、壁の種類や規模によって大きく異なりますが、数万円から数十万円程度が相場です。撤去前に必ず専門業者に相談し、見積もりを取ってから作業を進めましょう。撤去後の壁の処理についても、業者に確認しておきましょう。

耐震性について

間仕切り壁の耐震性は、設置方法や素材によって大きく異なります。地震などで倒壊しないよう、しっかりとした下地処理と適切な施工が不可欠です。特に軽量な間仕切り壁を設置する場合は、地震に弱い可能性があるため、耐震性を高める工夫が必要です。例えば、壁をしっかりと固定したり、補強材を使用したりといった対策が考えられます。耐震性の高い間仕切り壁を作るためには、専門業者に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。しっかりとした耐震設計で安心安全な空間を確保しましょう。

騒音対策について

間仕切り壁による騒音対策は、壁の素材や構造、そして施工精度に大きく依存します。遮音性が高い素材を選ぶことが重要です。例えば、石膏ボードにグラスウールなどの断熱材を挟むことで、遮音効果を高めることができます。また、壁と床の間に隙間を作らないようにすることで、騒音の伝達を抑制できます。さらに、ドアや窓などの開口部からも音が漏れるため、防音性の高いドアや窓を選ぶことも重要です。完璧な防音は難しいですが、適切な対策を行うことで、騒音を効果的に低減できます。快適な静寂な空間を確保するためには、専門業者に相談し、最適な遮音対策を検討することをお勧めします。

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